このブログでも再三その重要性を記している「居着き」
自身は居着かず、逆に相手を居着かせる事が勝利に通じる道です。
居着くとはどういう事か。
居着きには身体と心の両面での現象があります。
身体の居着きは分かりやすいでしょう。またこれを説く指導者も多いと思います。
では心の居着きとは何か。
心の居着きとは、心から中庸な働きが失われた状態と言えます。
中庸とはごく簡単に言えばバランスがとれた状態と言えます。
バランスを欠く事。これは当流の稽古でも再三戒めている内容であります。
偏らず、決めつけず、奢らず。つまり正しい心の働きを妨げる、負の感情を持たないことが、中庸かつ、心の居着きを取り除く入口となります。
武術に限った話ではないでしょうが、相応の実力を身に付け、立場を得ると、人は新たな学びへの意欲が失われることがあります。
こと伝統を重んじる道には多い傾向だと思います。
人間は変わらないとは言えども、時代、習俗、常識、暮らし、言語等の様々な要素は、日々少しずつ、時に大きく変わり続けているものです。
伝統をないがしろにしては本末転倒ですが、ですがやはり常に「学び」続けることが全ての道に、そして全ての人にとって最も重要な事です。
技は常に創意工夫の余地有り。
今の自分が絶対ではない。ここからまだまだ先がある。
そうでなければ生きている甲斐がないとは思いませんか。
これもまた武術に限ってはありませんが、こうした人生を豊かにするような類の学びは、いつだってあなたの側にあるものです。
私は武術もそうしたものの一つと考えています。
その様な学びとして、武術を人生の学びとして取り入れて頂ければ幸いです。
その為の手助けが出来るのであれば、これは幸せな事だと感じます。
埴原 有希士
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