武術は合戦の技術です。
おおらかに、とは対極に思えます。
しかし当流は「おおらかに」を目指します。
●大きく観て、緩やかに動く
集中とは一点にフォーカスする事をイメージする方が多いでしょう。
ですが当流では「観の目付」と申しまして、相手の全体、動き、周囲の状況などを
集中しながらも大きく観ます。以下のような理由があります。
・四肢の末端に意識を集中してしまうと、技の起こりや相手の動きが見えない
・周囲の環境観察を疎かにすると、思わぬ所で足元を掬われる
・敵は一人とは限らない
・敵が無手とは限らない(隠し武器や罠の類)
観の目付をもって、必要十分な動きで、速すぎず遅すぎず身を躱す。
このような心身の働きを用います。
●流水の如く緩やかに、円の動き
当流は直線的な前後の動きをあまり用いません。
このあたりは研究動画をご参照ください。
その理由は明確です。
・飛び跳ねるような勢いのある動きは、断続的な動きになり、隙が生じる
・速すぎる体の捌きは、相手に動きを察知され、合わせられる可能性がある
・必要以上の素早い動きは、無駄な体力の消耗を招く
当流派で特に必要十分な動きと表現します。過不足無く「中庸」の心構えが
必要です。
つまり「おおらか」とは、
・大きく観る
・淀み無い必要十分な緩やかな動き
と要約できます。技術的な話に聞こえるかもしれませんが、これらを実践に用いるには
やはり心構えです。
東京 新宿 古武術・古武道・剣術等の武器術を学べる道場「甲州流柔術」
師範 埴原有希士
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