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現代武道との共存と差別化

武道全般から見ると相対的に少ないとは言え、古武道を標榜する道場は全国それなりの数があると思います。伝統的な技や思想の継承を行う流派を「正統派の道場」と仮に定義するならば、当流はそれ以外にも以下のような特徴や考えを持って活動しています。

 

一、現代における古武術のあり方を考える

一、技術や思想に偏らない稽古(心技体の調和のとれた鍛錬)

一、現代武道、格闘技との融和と差別化

 

古武術のあり方は難しいテーマですので、明確な解答は得ていない段階です。後の二つにおいては、やはり非常に考えさせられることがありました。

 

現代おいては特に 武道 格闘技 護身術 等、色分けして扱われることが実態としてあります。ですが私は武道=格闘技=護身術であって然るべきと考えております。つまり武道を学ぶものが、極端に格闘家に苦手意識を持つのもまずいし、また格闘家がいざという有事の際に、刃物やその他武器に対応できないのもまずいと考えております。(あくまで持論ですので悪しからず)

例えば武道家が格闘家と立ち合うのであれば、相応の対策と稽古が必要となります。例えば当流は同門と争う想定はしておりませんし、基本的には対素人を想定した技術も多くございます。競技として、競技者同士が競い合うことを前提とした格闘技とは成り立ちや仮想敵の要素からして大きく異なると言えます。そう言った意味では古武術側は確かに格闘技とは相性が悪いように思えます。

その原因の一端には、ある時期までに完成された技術を、時代の変化を考慮せずそのままに継承している、という古武術の大前提とも言える要素が大きく関係します。ここまでお読みいただいた方に決して誤解していただきたくはないのですが、伝統的な技術の継承を否定する考えは一切持ち合わせておりません。その様な考えであれば、もはやそれは「古武術」とは言えません。

私は、現代における古武術は、伝統的な技術や思想の継承だけでなく、現代武道、格闘技を包括しながら、その持ち味を活かすような方向性もあって良いのではないかと考えております。それは現代武道、格闘技の技を取り入れるという意味でもありません。しかし厳然とその様な「新しい流派」が存在するのであれば、当然その対策や研究をすべきかと考えております。

当流は著名な流派でも規模も大きくはありませんが、そのように確固たる考え方を持ちながら、門人の皆様と切磋琢磨していきたいと考えております。

 

 

東京 新宿 古武術・古武道・剣術等の武器術を学べる道場「甲州流柔術」

師範 埴原有希士