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武術豆知識

武術には様々な専門用語が存在します。中には現代においてそうとは知らずに使用している言葉があります。本日はそんな日常に潜む武術用語をご紹介します。

 

一、手の内

相手の秘めたアイディアのようなニュアンスで使われますね。実は武器術でも特に剣術において、柄の握り方を「手の内」と言いいます。刀は刀線刃筋を立てる、円運動、と共に流派によって異なる手の内を重視します。この手の内はある意味秘伝で、太刀筋に大きく関わるため、おいそれと明かすものではありませんでした。そこから転じて現在の使用法につながったようです。

 

一、切羽詰る

焦る、進退窮まった、といったようなニュアンスで使われますね。この言葉はご存知の方も多いですね。ですが切羽が何かを知る方は少ないようです。切羽とは、刀の鍔に上下から装着する対の楕円形の金具です。(鍔よりは小さいです)ここで面白いのが、切羽が詰まると刀が抜けなくなるから焦るんだ、と実際とは異なる解釈が広まっています。刀をよくご存知の方はお分かりになるでしょうが、切羽が影響して刀が抜けなくなることは、構造上有り得ませんね。切羽がきっちりと装着されていれば、鍔のがたつきや緩みが消えます。鍔が全く動かなくなるわけです。その状態が、身動きできない心情と重なり現在の意味につながったのではないでしょうか。(あくまで考察ですので、合ってる、間違ってる等ご存知の方は教えてください)

 

一、しのぎを削る

ライバル同士が一進一退の攻防を繰り広げる、といったニュアンスで使われますね。実は鎬(しのぎ)とは刀の側面のことです。これは大分現在のニュアンスと近いです。実力の拮抗した剣士が、じりじりと鍔迫り合いを行う、損な場面をイメージしてみてください。鍔迫り合いといっても、実際に鍔をぶつけ合うわけではなく、鎬同士がぶつかる事もあったのでしょう。その様子から、現在の使用法につながったようです。

 

いかがでしたか。武術上達には関係しませんが、こんな豆知識も知ると楽しいものです。

 

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師範 埴原有希士